若きビル王とのエキサイティング・マリッジ
彼の創る世界に触れながら刺激をもらって、自分のデザインを発展させたい。そうやって、『染屋白浜』の暖簾も守っていきたいの!」
和モダンのデザインをしていることを、ずっと琉成さんには話せなかった。
一心不乱に伝統的な柄を描き続ける彼には、私の描くものなど理解して貰えない…と感じていた。
「ごめんなさい私、琉成さんの申し出を受けることはできません。琉成さんにはもっとお似合いの人がいると思うんです。私ではなく、他の方との縁が、きっとあると思う」
兄のように慕ってきた琉成さんとは、これをきっかけに縁が途切れてしまうかもしれない。
そうなれば、『白浜』としての損失は間違いなく、後継者として、それだけは絶対に避けなければいけないことだったけれど__。
(私はもう、自分の気持ちを見過ごしたり、尻込みしたりするのは嫌!)
昨夜、私は実感したのだ。
あのワンピースを着て鏡の前に立った瞬間、呉服屋の娘として見れなくても、彼の目に映る自分が、あの女性に負けていなければ、それでいい…とライバル心を燃やした。
和モダンのデザインをしていることを、ずっと琉成さんには話せなかった。
一心不乱に伝統的な柄を描き続ける彼には、私の描くものなど理解して貰えない…と感じていた。
「ごめんなさい私、琉成さんの申し出を受けることはできません。琉成さんにはもっとお似合いの人がいると思うんです。私ではなく、他の方との縁が、きっとあると思う」
兄のように慕ってきた琉成さんとは、これをきっかけに縁が途切れてしまうかもしれない。
そうなれば、『白浜』としての損失は間違いなく、後継者として、それだけは絶対に避けなければいけないことだったけれど__。
(私はもう、自分の気持ちを見過ごしたり、尻込みしたりするのは嫌!)
昨夜、私は実感したのだ。
あのワンピースを着て鏡の前に立った瞬間、呉服屋の娘として見れなくても、彼の目に映る自分が、あの女性に負けていなければ、それでいい…とライバル心を燃やした。