若きビル王とのエキサイティング・マリッジ
それを彼の一言で気付かされた。
その上で彼は私を抱いて、自分の熱でコンプレックスを溶かしてくれた。


だからもう卑屈になって落ち込んだりしない。

彼が私を認めて一緒に進んでくれる…と宣言するなら、その言葉だけで頑張れる。
彼の見せてくれる世界がきっと、私に新しいデザインを描かせてくれる___。


確信のようなものを感じて、琉成さんを見つめ返した。
けれど、彼は暗い表情で斜めに私を見返してきて、ぐっと手首を掴むと歩み寄り、無理矢理唇を奪おうとした。


「やっ…!」


力強く手首を握られ、動きを止められて眉を(しか)める。
熱い吐息が鼻先にかかり、嫌だと思うのに、顔を背けるだけが精一杯で……。


(助けて!悠大さんっ!!)


居もしない彼のことを思い、涙が溢れそうになる。
一瞬でもいいから、この場に彼が居てくれれば…と願い、反抗の声を上げた。


「やめてっ!」


バタバタと駆け寄る足音が聞こえたのは、その瞬間だった。
急に腕の拘束が緩み、ハッとしながら前を見た。


「何やってるんだ!」


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