若きビル王とのエキサイティング・マリッジ
「だったら、俺を起こせば良かっただろ」
「…でも、よく眠っていたし」
困ったように言い返したが、本当は彼とどんな顔をして対面したらいいのかがわからなかった。
昨夜は初体験だったのに、あんなふうに乱されて、気恥ずかしくて堪らなかった。
「朝起きて隣に香織が居なかったから、どんなに残念だったか知らないだろ。俺はベッドの中で香織に目覚めのキスをして、『好きだ』と伝えるつもりでいたのに」
「えっ…」
「昨夜は夢中になって言うのを忘れていただろ。余裕も全く持てなかったし、その分、朝に甘えさせてやろうと思っていた」
なのに、このザマだ…と呆れたように言ってくる。
だから、思わず頭を項垂れ、「ごめんなさい」…と肩を竦めた。
「全く…」
呟く彼が背中を抱きしめ、「香織が好きだ」…と改めて言葉にしてくる。
その声に胸を弾ませて受け止め、彼に縋りながら、「私も」と返事をして顔を見上げる。
彼と微笑み合いながらキスを重ね、お互いの顔を見遣った。
既にプロポーズの返事をした様な雰囲気ではあったけれど、私はきちんとしておきたくて、顔を見つめながらもう一度言った。
「…でも、よく眠っていたし」
困ったように言い返したが、本当は彼とどんな顔をして対面したらいいのかがわからなかった。
昨夜は初体験だったのに、あんなふうに乱されて、気恥ずかしくて堪らなかった。
「朝起きて隣に香織が居なかったから、どんなに残念だったか知らないだろ。俺はベッドの中で香織に目覚めのキスをして、『好きだ』と伝えるつもりでいたのに」
「えっ…」
「昨夜は夢中になって言うのを忘れていただろ。余裕も全く持てなかったし、その分、朝に甘えさせてやろうと思っていた」
なのに、このザマだ…と呆れたように言ってくる。
だから、思わず頭を項垂れ、「ごめんなさい」…と肩を竦めた。
「全く…」
呟く彼が背中を抱きしめ、「香織が好きだ」…と改めて言葉にしてくる。
その声に胸を弾ませて受け止め、彼に縋りながら、「私も」と返事をして顔を見上げる。
彼と微笑み合いながらキスを重ね、お互いの顔を見遣った。
既にプロポーズの返事をした様な雰囲気ではあったけれど、私はきちんとしておきたくて、顔を見つめながらもう一度言った。