若きビル王とのエキサイティング・マリッジ
「え?ご友人?」

「ああ。レジデンスの最上階に住む王様」

「ええっ!?」


ガタンと椅子から立ち上がり、茫然としたまま彼を見つめる。

鳩が豆鉄砲を食らったように目を見開く私に微笑み返す彼は、「別に本当の王様じゃない」と付け加え、真実を明かしてきた。


「ただ、彼処(あそこ)がオアシスなら、最上階に住む彼は、俺にとっては『王様』ってだけ」


本当は世界に支社を構えるインターナショナルなオフィスのCEOというだけだ…と言ってくる。
でも、そういう方とも友人なんて、一体どれだけ顔の広い人なんだろう。



「どうだ?」

「どうって、もう頭が混乱し過ぎて何も考えられない」


全部お任せします、と言うと笑い飛ばされてしまった。
こんなスケールの大きい人と結婚する自分が、改めてどうなっていくのだろう…と興奮させられる。



明日、彼と結婚する。
刺激と希望に満ち溢れた日々への第一歩が、もう目前に迫っていた___。




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