若きビル王とのエキサイティング・マリッジ

（杉苔にジェラシーを感じたのも初めてだったよ。それくらい風変わりだったけど、面白い相手だと思った）


自分も時々、ビルのデザインを考え出したら止まらなくなる。

そういう時はきっと彼女と同じ様に何も耳に入らず、視界すらもシャットダウンして考え込んでしまっているのかもしれない。


（いい刺激を与えてくれるかもしれない。彼女の考えていることが、自分の仕事にも役立ちそうな気がする）


そういう理由で、「また会いたい」と連絡した。

彼女の祖父は、「えっ！？」と驚いておられたが、俺が「なかなか興味深い時間でした」と伝えると、何をしでかしたのか…と勘繰り、それでも「よろしくお願い致します」と願われた。


後日、俺が「また彼女に会うつもりだ」と話すと、松崎は大いに驚き、「何事ですか！？」と大袈裟に訊いてきた。
そして、「青天の霹靂ですね」と笑いだし、「機会があれば、自分にもご紹介下さい」と望んだのだ。


「そうだな。次に会った時、彼女が面白い反応を見せてくれたなら、また会えるチャンスもあるかもな」