若きビル王とのエキサイティング・マリッジ
(…これ、どうなってるの)


木材の配置が微妙に変わるだけで、こんなに違うように見えるなんてすごい…と感心しながら眺め続け、溜息が出そうなくらいに美しい和の世界に惹き込まれていく。



「あっ!」


カクッと足先が引っ掛かり、前のめりに転びそうになる。
すると、それを支えるように腕が伸びてきて、ガシッとウエストを抱いてくれたおかげで、派手に転びはしなかったけれど。


「…大丈夫か。危なかったな」


男性の声にビクッとして振り返ると、顔のすぐ側には『若きビル王』とも呼ばれるマゾな相手の顔があり、驚いた私は仰け反り、「ひゃっ!」と変な声を上げてしまった。



(あっ…)


ポカンとした表情で相手は私のことを眺めている。
こっちは心臓をバクバクさせながら慣れない男性との距離にビクビクし、身を縮こませて謝った。


「ご、ごめんなさい!大丈夫ですから」


すっかり夢中になってた…と慌てて腕から身を起こし、急いで感想を述べだす。


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