若きビル王とのエキサイティング・マリッジ
彼は微笑み返すと頬に手を当て、そっと近付くと耳朶にキスをした。
おかげで私は飛び上がるように驚き、「ひゃっ!」と叫ぶと相手の顔を見つめ返した。


「悪い。なんだか無性に可愛く見えたから」


つい…と悪びれる様子もない相手に胸が鳴る。

けれど、そんな言葉を言われ慣れてもなく、かぁーと顔に熱が帯びると黙り込んでしまい、家に辿り着くまで、まともに相手の表情も拝めなかった。



< 46 / 137 >

この作品をシェア

pagetop