若きビル王とのエキサイティング・マリッジ
(えええっ!?)
まさか、本当に此処の住人!?と目を疑っていると、さっと開いたドアの向こう側へ行き、振り返りながら私を手招いて、「早く来い」と言ってくる。
(いやいや、普通に行けないから)
ご遠慮します、と後ずさりたくなるけれど、足を踏み出せない私の所まで彼が戻ってきて、さっと腕を絡ませるとがっちりホールドして、逃げないように連れて行かれてしまう。
一歩玄関ドアを入った先には、まるでホテルのようなシックで落ち着いたエントランスホールが広がり、ブラウンカラーで纏められた中には、間接照明で照らされたカウンターまでがあって、そこにいる執事の様な出で立ちの男性が、こちらを見つめてニコッと微笑みかけてきた。
「ようこそいらっしゃいました、橘様」
「ああ。こんにちは」
お知り合い!?を顔を引き攣らせて二人を見つめる私。
もう目眩までしてきそうだ…と狼狽えていると、執事みたいな人がチラッと視線を走らせ、私のことを確かめてくる。
「ああ、この人は婚約者なんだ」
しれっと嘘を吐く相手の言葉を否定する気も起こらず、呆然と聞き流す。
まさか、本当に此処の住人!?と目を疑っていると、さっと開いたドアの向こう側へ行き、振り返りながら私を手招いて、「早く来い」と言ってくる。
(いやいや、普通に行けないから)
ご遠慮します、と後ずさりたくなるけれど、足を踏み出せない私の所まで彼が戻ってきて、さっと腕を絡ませるとがっちりホールドして、逃げないように連れて行かれてしまう。
一歩玄関ドアを入った先には、まるでホテルのようなシックで落ち着いたエントランスホールが広がり、ブラウンカラーで纏められた中には、間接照明で照らされたカウンターまでがあって、そこにいる執事の様な出で立ちの男性が、こちらを見つめてニコッと微笑みかけてきた。
「ようこそいらっしゃいました、橘様」
「ああ。こんにちは」
お知り合い!?を顔を引き攣らせて二人を見つめる私。
もう目眩までしてきそうだ…と狼狽えていると、執事みたいな人がチラッと視線を走らせ、私のことを確かめてくる。
「ああ、この人は婚約者なんだ」
しれっと嘘を吐く相手の言葉を否定する気も起こらず、呆然と聞き流す。