若きビル王とのエキサイティング・マリッジ
愕然としながらも目の前に座る琉成さんを見て、(どうしたらいい)…と悩みだす。
もしも、私が琉成さんの申し出を断り、彼の家との関係性にヒビが入ってしまったら……。
(只でさえ、うちの店が扱うような反物を作ってくれる職人さんは少なくなっているのに、大事な取引先との縁を無くすようなことになってしまったら……)
かと言って、自分の気持ちを曲げてまで彼の元へなんて行けない。
そもそも、私は店を離れて琉成さんと一緒に着物の柄を考えたいのではなく、店を継ぎながらオリジナルの柄をデザインをして、それを世に送り出したい…と願っているのだ。
(琉成さんには、これまでそんな話をしたことがない。自分のコンプレックスのことも、話したのは彼だけだ……)
あの人が、私の気持ちを理解して、問いかけてきてくれたから。
あの時は、彼と会うのもこれが最後だと思っていたし、笑われてもいいか…と、諦め半分で話して聞かせたけれど、彼は思いがけず自分と同じだと言い、自分のコンプレックスを感じた話まで教えてくれた……。
(あの時と同じように私、琉成さんに話せるかな…)
もしも、私が琉成さんの申し出を断り、彼の家との関係性にヒビが入ってしまったら……。
(只でさえ、うちの店が扱うような反物を作ってくれる職人さんは少なくなっているのに、大事な取引先との縁を無くすようなことになってしまったら……)
かと言って、自分の気持ちを曲げてまで彼の元へなんて行けない。
そもそも、私は店を離れて琉成さんと一緒に着物の柄を考えたいのではなく、店を継ぎながらオリジナルの柄をデザインをして、それを世に送り出したい…と願っているのだ。
(琉成さんには、これまでそんな話をしたことがない。自分のコンプレックスのことも、話したのは彼だけだ……)
あの人が、私の気持ちを理解して、問いかけてきてくれたから。
あの時は、彼と会うのもこれが最後だと思っていたし、笑われてもいいか…と、諦め半分で話して聞かせたけれど、彼は思いがけず自分と同じだと言い、自分のコンプレックスを感じた話まで教えてくれた……。
(あの時と同じように私、琉成さんに話せるかな…)