カフェの店員はデートします!
早乙女さんは私の手首を持ち、何かをつけてくれる。それはハートの中に紫の石が埋め込まれた可愛らしいブレスレットだった。

「塔の上のラプンツェルがモチーフになっているみたいです。せっかくなのでプレゼントしたいなと……」

早乙女さんはそう言うけど、今日は何の記念日でもない。それに私は何も早乙女さんにプレゼントなど用意していない。

「私、何も用意できてなくて……。私だけもらうなんてできません」

「いいんですよ。あなたが隣にいるだけで毎日が記念日ですから」

早乙女さんに優しくキスをされて、私の頬が赤く染まる。初めてもらったブレスレットの感触が特別なものに感じる。

夕暮れが迫る中、私たちは誰にも見つからないように唇をこっそり重ね合っていた。




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