カフェの店員はデートします!
「残念、彼女いるんだ〜……」

女の子たちはそう言い、離れていく。相川くんは「やっと行ってくれた〜……」と苦笑した。私も「すごかったね、逆ナンの数」と微笑む。

「僕の好きな人は萌さんですから」

行きましょう、そう言われた刹那に相川くんにギュッと手を握られる。男性特有の大きな手にドキッしてしまった。

待ち合わせ場所から数分ほど歩いて電車に乗り、私と相川くんは「楽しみだね」と言い合う。これから行くのはスイーツバイキング。私も相川くんも甘いものが大好きだから。

「あっ!そうだ、これ今度投稿する予定の歌なんです。聴いてください」

相川くんがスマホを取り出し、歌ってみたを聴かせてくれた。感情泥棒というボカロだ。

「素敵な歌だね。さすが歌い手さん!」

私がそう言うと、相川くんは「それ、萌さんを想って歌ってるんですよ」と耳元で囁く。私の顔は真っ赤になってしまった。



電車に揺られ、私と相川くんはスイーツバイキングのお店に到着した。可愛らしいピンクの屋根のお店で、並んでいるのはほとんどが女の子。

「萌さんと来てみたかったんです!男一人だと入りづらいですし……」
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