カフェの店員はデートします！

「はい、とりあえず着替えてきてね」

そう言われて試着室に押し込められ、私は渋々着替えを始める。でもさすがファッションデザイナー。とってもセンスがいい……。

「わっ、あの人すごく素敵！」

「彼氏さんが選んだんだって！センスいいよね〜」

「可愛い〜！彼氏めちゃくちゃイケメンだし！」

「よく見たら、あの人ってファッションデザイナーの……」

お店にいた他のお客さんに見られながら、私は橘さんが選んだ服を着替えていく。まるでファッションショーみたいだ。

白いトップスにギンガムチェックのスカート、肩を出したトップスに淡いピンクのスカート、水色のふんわりとしたワンピースに、Tシャツとショートパンツ、様々な服をコーディネートしてもらった。どの服も素敵で着ていて楽しい！

「やっぱりどれもよく似合うね。可愛いよ」

橘さんに言われると、もっとあなたのために可愛くなりたいと思ってしまう。橘さんの「可愛い」は魔法の言葉だ。

「橘さんだってかっこいいですよ」

私はそう言い、橘さんにも魔法をかけようと思った。