花火
でも。
5分、10分、とどれだけ待っても龍斗が来ない。
 
おかしいと思いつつ、携帯電話を持っていない私は、連絡を取ることすらできない。

すれ違うといけないから、ここから動くこともできない。

もう、花火が始まってしまう。

…また今年も1人で見るのかな…

もういいか、と割りきれれば楽なんだろう。
今までもそうしてきたのだから、と。

でも、どうしてもそれができなかった。
< 5 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop