【激短編】区切られた空
「やっぱり都会的な部分もあった方が、素敵かなっとも最初は思ったんだけど…ほら、自然と科学のコントラストがね。」


なんて、偉そうに語った君は、一つ溜め息をついてから、



「今は、誰かぶっ壊してくれないかな…?なんて思ったりしたりしなかったり…」



と言うと、ニヤリと意味深に微笑んだ。



「それは笑えないな…」


「いや、真面目に…」



僕は笑えないと、君は真面目にと言いつつも、二人は顔を見合わせて笑い出す。



一通り笑うと、二人の視線は自然と窓辺に移された。


並んで立つ姿が闇夜をバックにした二人のポートレートの様に窓に映る。


二人の間を分断する様に、調度真ん中辺りに電波塔が立っている。



「どうせ壊してくれないなら…」



君が独り言を呟く様に口を開いた。



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