【激短編】区切られた空
「なんて、真面目にとらないでよ。」



僕が返答に詰まる姿が余程面白かったのか、君は腹を抱える様な勢いで笑い続けている。



「なんだよ!もしかして、何か思い詰めてるのかと心底心配したのに…!」



君があまりに笑うものだから、僕はついムキになって怒ってみせる。


きっとそれすら君にとっては凄く面白い反応なんだろうが、



「ごめん。あまりに真面目な顔だったから…つい…」


流石に機嫌を損ねた僕との雰囲気を更に壊す様な行動は避け、媚びる様に上目で僕の様子を伺った。


この上目遣いに僕が弱いのを知っての計算だと僕には解っている。


が、つい



「ま、冗談ならいいよ。」



と、君を許してしまう、そんな僕の甘さも実は心地良かったりする。


君は、満足そうに口元に笑みを浮かべ、軽い足取りでソファに向かった。



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