あの丘で、シリウスに願いを
第二章 害のない上司
そうして、やって来た新天地。
毎日がまことの想像を超える忙しさだった。
「翔太せんせ、ね、いつなら行けますか?」
「楽しみにしてるんです、みんな」
救急搬送された患者の処置を終えてまことが処置室から出てくると、廊下で救急外来部長の一条翔太が、二人の若い看護師につかまっていた。
「次の休みが取れたらね。
さ、フウカちゃんとアイラちゃんもう交代だろ?お疲れさま。君たちのおかげで助かったよ。いつも、ありがとね。次の休みには、美味しいもの食べよう。楽しみにしてるよー」
まことは、軽薄を絵に描いたような部長の脇をすり抜ける。
この部長、いつも女性スタッフに囲まれている。
時には女性患者にまで。
あのヘラヘラした笑顔は、嫌いだ。
毎日がまことの想像を超える忙しさだった。
「翔太せんせ、ね、いつなら行けますか?」
「楽しみにしてるんです、みんな」
救急搬送された患者の処置を終えてまことが処置室から出てくると、廊下で救急外来部長の一条翔太が、二人の若い看護師につかまっていた。
「次の休みが取れたらね。
さ、フウカちゃんとアイラちゃんもう交代だろ?お疲れさま。君たちのおかげで助かったよ。いつも、ありがとね。次の休みには、美味しいもの食べよう。楽しみにしてるよー」
まことは、軽薄を絵に描いたような部長の脇をすり抜ける。
この部長、いつも女性スタッフに囲まれている。
時には女性患者にまで。
あのヘラヘラした笑顔は、嫌いだ。