あの丘で、シリウスに願いを


「あ、まこっちゃん、今日はイケメン連れてるじゃないのぉ。珍しいこともあるものねー。
イケメンさんこんばんは、まこっちゃんの友達のシズカでーす」
「俺はシズカの旦那のヤマちゃんでーす。ヨロシク」
「え、まこっちゃんのダンナさん?やぁだ、スッゴイイケメンじゃない!まこっちゃん意外にやるわねー」

通路を歩いてきたグループとまことがハイタッチをするとあっという間に周囲を囲まれる。みんな既に酔っているのかひどく楽しそうだ。しかもいつの間にか、翔太がまことの旦那さんだと思われてしまっていた。

「違うの、この人は、仕事の上司」
「え、仕事の上司と結婚してたんだ、まこっちゃん」

酔ってテンション上がっている彼らには、まことの声は届かない。

「翔太先生、勘違いされてごめんなさい。悪い人達じゃないんだけど」
「全然構わないよ。結構沢山来てるね。土曜日だから仕事休みなのかな」
「みんな、ここを出たら何してるかなんて知らないの。でも、ここでは野球が好きで、同じチームが大好きな仲間。
翔太先生も楽しんでもらえると嬉しいな」


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