あの丘で、シリウスに願いを
その時、救急隊から受け入れ要請の電話が鳴った。水上が素早く電話に向かい受話器を取ろうとしたが。

「ハイ。受け入れます。
70代女性。自転車で転倒。脳挫傷の疑いあり。
洸平、CTの準備」


受話器を取ったのは、仮眠に行ったはずの翔太だった。


「翔太、寝てていいぞ」
「あーもーいいや。まこと先生も、後は俺やるから、帰っていいよ。引き止めてゴメンね、お疲れ様」
「え、でも」

まことが口を開く間も与えず、翔太と水上は飛び出して行った。

「六平先生、翔太先生もああ言ってくれたから、帰って。休める時に休まないと、続きませんよ」
「ほんと。美味しいものでも食べて、しっかり休んで英気を養って来て下さい」

他のスタッフにも背中を押され、まことは更衣室に向かった。


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