あの丘で、シリウスに願いを

そこへ通りすがった医師が声をかけた。


「へぇ、六平先生って、そんなにすごいの？」
「オペは正確で早くって。めちゃくちゃカッコいいんです！一条教授にも一目置かれているみたいだし、はぁ、憧れるなぁ」
「ふぅん」


その医師に柊子が気づいて笑顔で挨拶する。

「あ、翔太先生、お帰りなさいお疲れ様でした」
「柊子ちゃん！いやあ、疲れたよー。もう、クタクタ」

翔太が柊子に寄りかかりながら一つ息を吐く。それからまことに向かって笑顔で歩み寄る。
二人は親しげに何かを話して笑っていた。

「ね、水上さん、今の誰？」
「救命救急センター長、一条翔太先生よ？知らない？」
「え、教授の息子さんの！？なんか、思ってたより…チャラそう。ありゃ、モテるな」