あの丘で、シリウスに願いを
「あ、見つけた!翔太、帰ってきたらまずは救急センターに寄れって言ったよな?
お前のサインがいる書類持ってきたから、とにかくサインしろ、センター長」
「洸平が怖い」
「冬輝の迎えに行くんだ、早くしろ」

翔太は、白衣のポケットからブルーのシリウスを取り出した。差し出された書類にサインをする。

「よし。じゃ、さっさと帰れよ。お疲れさん。六平先生、邪魔してごめんね」

サインを確認すると笑顔で翔太の肩を叩いて、水上は戻っていった。


「これは返すね、まこと。ずっと君がそばに居てくれるみたいで心強かったよ。ありがとう」
翔太は今サインに使用したブルーのシリウスを、まことの白衣の胸ポケットに刺した。

翔太の無事を祈って、まことは自分の名前が刻まれた己の分身とでもいうシリウスを託した。
まことは、ほんの少し傷の増えたシリウスに目を細める。
危険が伴う任務だ。本当は一緒に行きたかった。だが、教授の許可も翔太の許可も下りなかった。

「無事な姿を見て安心した。ベリヒルで待ってて。今日は早めに帰るから」


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