あの丘で、シリウスに願いを
だが、あれから２０年近く経って、思い出したくもないあの辛かったあの日々が、報われた気がした。

ーー花マルのボールペン、か。

彼女も、運動を制限されて辛かっただろう。体を動かすことが好きそうだし。
息を詰めながらボールペンが花マルを書くように祈っている、まだ幼いまことの姿が想像できる。時には落胆して泣きながら帰った日もあっただろう。


『色褪せない記憶を残すもの』
まさに、シリウスのキャッチフレーズそのまま。


あれから２０年。まさか、『シリウス』で嬉し泣きするなんて。


見た目通り、サバサバした性格。女の子らしさや女子力は感じられない。患者に対する細かい気遣いが出来るところが、唯一女性らしいところか。仕事に対して真摯な姿勢は素晴らしいと評価できる。

彼女なら、これからもメキメキ腕を上げていくだろう。
いずれ翔太と水上が抜けても、この救急外来を背負っていけるエースになっていけると確信した。


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