あの丘で、シリウスに願いを
「かっこいい…六平先生。
翔太先生、六平先生の言う通りですよ。私なら大丈夫だから」
柊子はそう言って、まことの手を借りながら歩いていく。



「まこと先生…キッツイなぁー」
翔太が、笑った。
我に返ったような、いつもの飄々とした笑顔だ。

それからまことと共に柊子の体を支えて車に乗せると、病院へと向かう。



「産婦人科には連絡してあるからね。
どれ、俺は洸平の様子見てこよう。洸平のうろたえた顔が見れるなぁ」

楽しそうにニヤリと笑いながら翔太は、スキップでもしそうな勢いで戻っていった。

「まぁ、自分こそさっきまで散々うろたえて慌ててたのに」
信子が呆れたように呟いた。

「水上さん。私はこれで。
次にお会いする時は、赤ちゃんにも会えますね。楽しみにしてます」
「六平先生、本当にありがとうございました。
頑張ります!!」

まことに笑顔を向け、柊子は信子と共に産婦人科のフロアへと消えていった。







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