あの丘で、シリウスに願いを
まことは、自分で立てた計画にワクワクしていた。

「ベリーヒルズ、ね。
そうなると…やっぱりジュンだな。あいつ、捕まるかな」

ボソボソとつぶやきながらなんだか真剣な表情で、翔太がポケットからスマホを取り出し、何かを始めた。

「じゃあ、私、あがります。水上先生、よろしくお願いします。翔太先生、お疲れ様でした」
「はい、お疲れ様。楽しんできて」

返事をくれたのは水上だ。翔太はスマホに夢中で軽く手を上げただけ。きっと女の子と連絡でもとっているのだろう。
二人に軽く会釈してまことは更衣室に向かった。




女子更衣室は、まこと一人だった。
手早く着替え、浮き立つ気分で更衣室を出る。


「あ、まこと先生!」


更衣室を出たところで呼び止められる。
振り向くと、そこに翔太がいた。



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