あの丘で、シリウスに願いを
まことは、窓を見つめていた。
だが、見ていたのは夜景ではなく、ガラスに映る翔太だった。

一条翔太という人物がよくわからない。
クリスマスイブのディナーの相手に、フラれたとはいえ、なぜまことを選んだのだろう。
その気になれば相手はいくらでもいたはずだ。


料理が運ばれてきた。
色とりどりのお料理。旬の食材を使ったお料理は、まことが今までに食べたことのないものばかり。どれも美味しかった。


一口食べては嬉しそうに目を輝かせるまことに、翔太も安心した。
キレイな景色と美味しい食事は、やはり無敵だな、と。

「美味しかった!翔太先生、連れてきて下さって、ありがとうございます」
「今日は、夜景見たあと夕飯、どうするつもりだったの?」
「適当に何でもいいって思ってました。たまには贅沢もいいですね。どれも、美味しかったです」


< 77 / 153 >

この作品をシェア

pagetop