あの丘で、シリウスに願いを

「…どうして?翔太先生、どうしてそんなに私のこと気にかけてくれるんですか?痛みに怯えて可哀想だから?それとも、教授の患者だったから?」

気になって尋ねたまことに、翔太は呆れたように告げる。

「…可愛くないなぁ。まこと先生」
「可愛くないなんて、当たり前のことを今更ですか」

「…可愛くないけど、気になる。心配になるんだよ、似てるから。
仕事中毒。医療に人生かけちゃってるでしょ?余暇を一人で過ごすのもどんどん上手になってさ。
でもさ、人って結局一人じゃ生きられないの。壊れてしまうから。時には何かに頼ることも必要なんだよね。
俺が頼りないのはわかってるし、上司として尊敬されてないのもわかってる。
たださ、今夜、こうやって一緒にいて楽しかったんだ。
だから、なんて言ったらいいのかな、これからも一緒に、ご飯食べて美味しいって言ったり、綺麗な景色見て笑ったりしたいなって思うんだ。痛い時や怖い時もそばで励ましあいたい。
今日みたいに同じ目線でさ、色んなこと共有して頼りあえたらいいなって」

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