あの丘で、シリウスに願いを
「…だい、じょうぶ。ありがとうございます。落ち着きました。
すみません、翔太先生。うっかり、眠ってしまって、ご迷惑をおかけしました。私、帰ります」
「終電はとっくに行ってしまったし、始発はまだ。俺はもう少し休みたいし、まことも気にしないでここにいなよ」
まことを抱き寄せたまま、翔太が目を閉じた。
電車がなければタクシーでもと言いかけたが、この様子では帰してはくれない気がする。
「せめて、離れて下さい。恥ずかしい」
「恥ずかしい?誰も見てないし。
くっついてるとあったかいし、まことの心臓の音が伝わってきてホッとする。
俺、寝相いいよ。蹴飛ばしたりしないから安心して」
そうじゃない。
さっきは苦しくて動揺していたから無防備にしがみついてしまったけど、落ち着きを取り戻したらどうしても意識してしまう。
広い胸板、筋肉質な力強い腕。贅肉など無駄のない体。そして、彫りの深い整った顔。
「眠れない?」
「この状況ですぐに眠れるほど、図太くありません」
「じゃあ、する?」
何を、と聞き返そうとしたまことの頬に、チュッと翔太がキスを落とした。
びっくりして顔を上げたまことと翔太の目が合う。
すみません、翔太先生。うっかり、眠ってしまって、ご迷惑をおかけしました。私、帰ります」
「終電はとっくに行ってしまったし、始発はまだ。俺はもう少し休みたいし、まことも気にしないでここにいなよ」
まことを抱き寄せたまま、翔太が目を閉じた。
電車がなければタクシーでもと言いかけたが、この様子では帰してはくれない気がする。
「せめて、離れて下さい。恥ずかしい」
「恥ずかしい?誰も見てないし。
くっついてるとあったかいし、まことの心臓の音が伝わってきてホッとする。
俺、寝相いいよ。蹴飛ばしたりしないから安心して」
そうじゃない。
さっきは苦しくて動揺していたから無防備にしがみついてしまったけど、落ち着きを取り戻したらどうしても意識してしまう。
広い胸板、筋肉質な力強い腕。贅肉など無駄のない体。そして、彫りの深い整った顔。
「眠れない?」
「この状況ですぐに眠れるほど、図太くありません」
「じゃあ、する?」
何を、と聞き返そうとしたまことの頬に、チュッと翔太がキスを落とした。
びっくりして顔を上げたまことと翔太の目が合う。