マリッジ大作戦
プロローグ
薄暗い部屋の中。
カーテンの隙間から射す月のあかりが男女の裸を幻想的に映し出す。
『えっ…。今、なんて。』
女性は、汗ばんだ肌に張りつく長い髪をすくいあげ、まとめようとした手を止めた。
『だから、相続しろよ。じいちゃんの遺産。』
横で煩わしそうに
前髪を掻き分けながら話す男性。
『なんで?瑛士がそんなこというの??わたしの気持ち知ってるくせに!』
『わかってるけど…。』
『わかってない!!』
裸でいることも忘れ、ベッドから出ていこうとするのを阻止し、男性は乱暴に唇をかさねる。
いつしか、キスもどんどん激しさを増しベッドに押し倒され甘い声が出始めると、唇が離れ至近距離で見つめられた。
『まゆり、俺の身分と申し分ない身分を手にいれろ。』
熱いまなざしで見つめられ、思わず息を飲む。
こんな熱いまなざしでみられているにも関わらず、にらみつけ低い声で"どいて"と言われ、気まずそうに男性は、逃げ道をつくる。
『…まゆり。』
『瑛士。瑛士に、そんなこと言われたくなかった。』
そう言ったきり服を着始めたまゆりは、首にぶら下がっているピンクダイヤモンドのネックレスを外し、カウンターテーブルにそっと置いた。
『……瑛士。終わりにしよう。』
そう言い放ち、瑛士の引き留める声を聞きながら、先ほどまでの情事の香りがする部屋をあとにした。
カーテンの隙間から射す月のあかりが男女の裸を幻想的に映し出す。
『えっ…。今、なんて。』
女性は、汗ばんだ肌に張りつく長い髪をすくいあげ、まとめようとした手を止めた。
『だから、相続しろよ。じいちゃんの遺産。』
横で煩わしそうに
前髪を掻き分けながら話す男性。
『なんで?瑛士がそんなこというの??わたしの気持ち知ってるくせに!』
『わかってるけど…。』
『わかってない!!』
裸でいることも忘れ、ベッドから出ていこうとするのを阻止し、男性は乱暴に唇をかさねる。
いつしか、キスもどんどん激しさを増しベッドに押し倒され甘い声が出始めると、唇が離れ至近距離で見つめられた。
『まゆり、俺の身分と申し分ない身分を手にいれろ。』
熱いまなざしで見つめられ、思わず息を飲む。
こんな熱いまなざしでみられているにも関わらず、にらみつけ低い声で"どいて"と言われ、気まずそうに男性は、逃げ道をつくる。
『…まゆり。』
『瑛士。瑛士に、そんなこと言われたくなかった。』
そう言ったきり服を着始めたまゆりは、首にぶら下がっているピンクダイヤモンドのネックレスを外し、カウンターテーブルにそっと置いた。
『……瑛士。終わりにしよう。』
そう言い放ち、瑛士の引き留める声を聞きながら、先ほどまでの情事の香りがする部屋をあとにした。
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