マリッジ大作戦
そんな雅流の三代目を祖父に持つまゆりは、兄が二人いる。
七歳上の兄が四代目を継承し、その秘書を二歳上の兄が務め雅流を盛り上げているが、まゆりは兄以上に才能がありながら継承もせず、雅榮の名前を名乗るのもいやがった。
まゆりが雅榮の名前を知ったのは、両親が交通事故あい亡くなった後のお葬式に、祖父がきた時だったのだ。
両親は、雅流を継承するつもりがなかったため、一番上の兄以外、両親の詳しい出自を知らなかった。
引き取られたのは16歳。
一番多感な時期に人間の両面性を知り、一時期周りに不信感を抱き、雅榮の名前を恨んだ時期もあった。
でも、祖父が教えてくれる音楽や花など嫌いだったわけじゃなく、むしろすきだった。
そんな昔をふと思い出したのは、シャツから覗くピンクダイヤモンドが目に写ったからだろうか。
最初で最後の彼氏からの贈り物。
『……終わりにしよう。』
そう言って返したものは、-これはまゆりのだから-とその日のうちに手元にかえってきた。
嫌いになったわけじゃない。
だからこそ、仕事中に邪魔にならないように、ネックレスのチェーンを切れにくい物にかえて、お守りかわりにいつもしている。
七歳上の兄が四代目を継承し、その秘書を二歳上の兄が務め雅流を盛り上げているが、まゆりは兄以上に才能がありながら継承もせず、雅榮の名前を名乗るのもいやがった。
まゆりが雅榮の名前を知ったのは、両親が交通事故あい亡くなった後のお葬式に、祖父がきた時だったのだ。
両親は、雅流を継承するつもりがなかったため、一番上の兄以外、両親の詳しい出自を知らなかった。
引き取られたのは16歳。
一番多感な時期に人間の両面性を知り、一時期周りに不信感を抱き、雅榮の名前を恨んだ時期もあった。
でも、祖父が教えてくれる音楽や花など嫌いだったわけじゃなく、むしろすきだった。
そんな昔をふと思い出したのは、シャツから覗くピンクダイヤモンドが目に写ったからだろうか。
最初で最後の彼氏からの贈り物。
『……終わりにしよう。』
そう言って返したものは、-これはまゆりのだから-とその日のうちに手元にかえってきた。
嫌いになったわけじゃない。
だからこそ、仕事中に邪魔にならないように、ネックレスのチェーンを切れにくい物にかえて、お守りかわりにいつもしている。