マリッジ大作戦
「江見ちゃん、桐谷くんどうしたの？？夜勤大変だった！？」

庭園の現場には、たまに夜間やらないといけないことがあるので夜勤が月に二、三度あるのだ。

「それが、ホテルの経営者が代替わりするらしくて。」

野球少年の様な頭をし、黒く日焼けしガッチリとしている桐谷誠が眠い眼をこすりながら話す。

「んっ？代替わり？」

「はい。東郷リゾートの社長が息子になるんですって！」

パッツン前髪にボブヘアで背が小さく可愛い雰囲気の青山江見があくびをしながら答えた。

一瞬東郷リゾートの名前が出て、瑛士の顔が脳裏に浮かぶがすぐに、打ち消した。

「それでなんで二人がげっそりしてるのよ？？」

意味がわからずに聞き返すと興奮した江見がまた話し出す。

「それがですね！！社長就任パーティーを東郷リゾートじゃなくて庭園でガーデニングパーティーすることになったようで、その陣頭指揮を柚木之条家のご令嬢が取るらしく、あれこれ打ち合わせの下準備をしてたら、こんな時間になって。」

「庭園でガーデニングパーティーはわかったけど。なんで、柚木之条家が？？副社長には婚約者がいるでしょ？？」

まゆりは、瑛士と別れてから疎遠になってる弟で副社長の崇士のことを思い浮かべ疑問を口にする。

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