地獄船
俺たちは互いに顔を見合わせた。


もしかして毒入りの食事なのかもしれない。


「なにモタモタしてんだよぉ~、お前らが早く座らないと食事にできないだろ!」


子鬼が文句をぶつけて来る。


とにかく、椅子に座るしかない。


「全員席についたなぁ? じゃぁ、手を合わせて、はい、いただきます!」


「いただきまぁす!!」


子鬼たちの元気な声に混ざり、小さく「いただきます」と、呟く。


目の前にある料理はどれも美味しそうで、匂いもいい。


けれど今まで無残な人の死体を見て来たため、食欲はわかなかった。
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