地獄船
「はぁ? 食欲がないだと? どんな時でも出されたものは全部食べるのが礼儀だろうがぁ」


鬼が不機嫌そうに眉間にしわを寄せてそう言った。


そういう常識的な事は知っているらしい。


いい迷惑だ。


「でも、無理だよ。目の前で何人もの友達が死んだんだから!」


ミヅキが青ざめた顔でそう言った。


すると鬼は顎をさすり何か考えるような表情を浮かべた。


「そうか。それなら今度のゲームは早食いか大食いにするか?」


鬼の提案に浩成が「ゲッ」と声を上げる。


俺も同じ気持ちだった。


こんな状況で早食いや大食いをやらされれば、間違いなく吐いてしまうだろう。
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