地獄船
「触ってみろよこの扉。すごく冷たいぞ」


そう言われて、俺は一歩踏み出した。


銀色の扉に触れてみると、それは冷凍庫のように冷たく、すぐに手をひっこめた。


「もしかして、食料を保管している部屋なんじゃない?」


綾が言う。


だけど、客室と同じフロアにそんなものがあるとは思えなかった。


「鬼たちは食いしん坊だもんね。ここに冷凍庫があってもおかしくないんじゃない?」


ミヅキが言う。
< 164 / 258 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop