地獄船
☆☆☆

広間に戻って来ると、すでに次のゲームの準備ができていた。


広間の中央に4つ、ボタンのようなものが置かれている。


テーブルや椅子などはなく、床に直接置かれている状態だ。


ボタンの下にはヨガマットのようなものもセッティングされている。


「次はなんだよ……」


浩成がため息交じりに呟いた。


俺はさっき見た冷凍庫の光景が頭から離れなかった。


鬼たちは今ここで俺たちを食べ、その後船の中で冷凍された人間たちを食べるのだろう。


こうやっていったいどのくらいの人間の命を奪って来たのだろう。


そう思うと、恐怖の中にも強い怒りを感じた。


「お前ら、これから腕立て300回なー」


いつもの間の抜けたような鬼の声が聞こえて来た。
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