地獄船
「腕立て300回……」


俺は小さな声で呟いた。


普段から運動なんてしていない俺たちができるとは思えなかった。


「これ、罰ゲームだから。お前らが自由時間に自由にし過ぎてた罰だから」


鬼はそう言い、ケラケラと声を上げて笑った。


「綾、大丈夫か?」


「うん……。制限時間についての説明はないよね? それなら、どうにか頑張るしかない」


綾はグッと握り拳を作ってそう言った。
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