地獄船
「じゃあ、次のゲームな!」


鬼の言葉に顔を上げる。


鬼は右手にストップウォッチを持っていて、その横に大きな電光掲示板が用意されていた。


鬼が持っているストップウォッチと連動しているようだ。


「もしかして、短距離走とか?」


綾が小声でそう言った。


そうかもしれない。


時間を計測するようなゲームだということは確実そうだ。


腕立て伏せ100回の後にこれはきつい。


でも……。


俺は横目でミヅキを見た。


ミヅキはきっと走れないだろう。


ここで脱落してもおかしくない。


せっかくここまで来ることができたけれど、綾を助ける事を考えればミヅキに脱落してもらった方がいい。


自分の考え方に冷や汗が流れるのを感じる。
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