地獄船
「どけてどけて~」


後方から聞こえて来た声に振り向くと、他の子鬼たちが紅白歌合戦の時に伝ったステージを持ってくる所だった。


それを広間の中央に準備していく。


まさか、また歌わされるのか?


それなら好都合だ。


俺と浩成がどれだけ下手に歌ったとしても、綾には叶わない。


綾の1人勝ちで間違いない。


しかし……。


3つ並べられたステージ上に、ひょっとこのお面が1つずつ置かれていく。


「なにあれ、ひょっとこ?」


綾が瞬きをしてそう言った。


「そうみたいだな……」


どうやら紅白歌合戦ではなさそうだ。
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