地獄船
「これからみんなで玉入れしろってこと?」
千春が誰ともなくそう言った。
たぶんそうなんだろう。
「ハチマキ巻けよお前ら、やる気あんのかよ」
娘鬼が罵声を飛ばして来る。
ここは言う通りにしておいた方がよさそうだ。
玉入れなんてしている暇はないけれど、どうしようもない。
俺は赤いハチマキを撒いて、カゴを見上げた。
高さはそれほどじゃない。
ジャンプをすれば入口に手が届くくらいだ。
「2回勝負、1回5分だ」
鬼がそう言うと同時に、広間に体育祭の音楽が流れ始めた。
それはかの有名な天国と地獄だった……。
千春が誰ともなくそう言った。
たぶんそうなんだろう。
「ハチマキ巻けよお前ら、やる気あんのかよ」
娘鬼が罵声を飛ばして来る。
ここは言う通りにしておいた方がよさそうだ。
玉入れなんてしている暇はないけれど、どうしようもない。
俺は赤いハチマキを撒いて、カゴを見上げた。
高さはそれほどじゃない。
ジャンプをすれば入口に手が届くくらいだ。
「2回勝負、1回5分だ」
鬼がそう言うと同時に、広間に体育祭の音楽が流れ始めた。
それはかの有名な天国と地獄だった……。