地獄船
青チームにいる千春と視線がぶつかった。


千春は悔しそうな顔をしている。


案外本気で玉入れをしていたのかもしれない。


だけど千春は背が小さいから、ろくに入れられなかったのだろう。


「一回戦目は赤チームの勝ち! はい、おめでとう!!」


「おめでと~!!」


あちこちから拍手が聞こえて来て、なんだか少し照れくさい。


圧勝ならともかく、13対16っていうのも喜ぶには微妙な所だった。


「さぁ、籠を直して。2回戦目を始めるぞ!」


鬼に言われるままに籠を直し、投げられてあちこちに飛んだ玉を集めると、再び輪になって座った。


俺は座った状態で肩をぐるぐると回した。


少し使っただけで腕のだるさを感じる。


こんなんじゃダメだな。


そう思い、明日からの筋トレを決意した。
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