地獄船
「はい、終了~!」


その合図と同時に俺はその場に座り込んでしまった。


肩で大きく呼吸を繰り返す。


「早人、大丈夫?」


綾が心配そうに声をかけてくる。


綾は額に汗を滲ませているが、まだまだ大丈夫そうだ。


「あぁ。大丈夫だよ」


ダサい所は見せられないと、立ち上がってそう言った。


立ち上がった瞬間、軽いめまいがした。


本当になさけない。


「よし、じゃぁ数えるぞー」


さっきと同じように子鬼たちが駆け寄ってきて、玉を数えはじめた。


「いーち! にーい! さーん!」


「じゅーに! じゅーさん! じゅーし!」


お、今度は前回よりも沢山玉が入っているようだ。
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