地獄船
悲鳴が上がり、固定されている家具にすがりつく生徒たち。


俺は身を低くし、綾の体を抱きしめた。


一体どうなってんだ!?


さっきよりも大きな揺れは、広間に設置されている大きなシャンデリアを振り回している。


嫌な予感が胸をかすめ、俺は綾をつれて近くのソファの下へと身を隠した。


体全部は入らないが、とにかく頭を守ろうと思った。


綾がソファの下で俺の手を握りしめた、その時だった。


ガシャーン‼ という大きな音が耳をつんざいた。


悲鳴や泣き声が入り混じる。


俺はソファの隙間から広間の様子を伺った。


予想通り、大きなシャンデリアが落下し、周辺にはその破片が散らばっている。
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