地獄船
自分からそう合図をだし、足を踏み出した。


勢いを付けて空中へ足を投げ出す文夫。


その足は綺麗に弧を描き、着地した。


見事なバック転だった。


本当に、学校とかで見させてもらえたらきっと拍手していた事だろう。


だけど、状況が状況だった。


文夫を見ていた鬼がつまらなそうに鼻くそをほじる。


子鬼たちが「俺もできるし~」と言いながら文夫よりも上手にバック転をかます。


中には平気でバック宙を繰り広げる子鬼もいる。
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