地獄船
「なかなかやるなぁ」


会話が一段落ついたのか、鬼がそう言って豪快な笑い声を上げた。


綾は肩で呼吸を繰り返している。


ほとんど息も吸わずに会話を続けていたようだ。


「発音もリズムもいい。さすが、こんな船で旅行する学校なだけあるなぁ」


鬼はしみじみとした雰囲気でそう言い、ワインを飲んだ。


綾が微かにほほ笑む。


これは手ごたえがあったように見える。


鬼は上機嫌だし、子鬼たちも2人の会話を熱心に聞いていた。


会話の内容はわからなかったけれど、すごい、ということだけは俺でも理解できた。


「それじゃ、得点」
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