地獄船
俺はそう答え、大きく深呼吸をした。


空気を吸い込めるのはこれで最後かもしれない。


そんな思いを抱き、ミヅキをみる。


ミヅキは耳の痛みに顔を引きつらせながらも、俺を睨み付けていた。


俺たちはすでに敵同士なのだ。


それなら、こっちも本気でいくしかない。


心臓がドクドクと早くなっていく。


暴れはじめる心臓をなだめるように、俺は何度も深呼吸を繰り返した。


ここで負ければ……死。


そんな恐怖が足元からせり上がって来る。


だけど、その恐怖を感じているのは俺だけじゃない。


残っている6人全員が同じ気持ちのはずだった。


こんな恐怖、勝ち負けには関係ない。


そう思い、ミヅキを見た。


ミヅキも覚悟ができている表情を浮かべている。


「じゃーん! けーん! ぽん!」


俺とミヅキの声が重なり合い、同時に腕を出していた。


一瞬、勝負の行方がわからなかった。
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