君の腋を舐めたい
お互い起き上がって、福ちゃんの膝がガッツリと擦りむいていたので、
鞄から消毒液を取りだしてぶっかける。
「おぉ~・・染みるぜ・・。」
「ごめん。絆創膏ちっちゃいやつしか持ってないからとりあえずこれ貼っといて。」
「・・・あ、戻ってきましたよ。」
「・・・・・・!!」
傷口の5分の1しか満たせれない福ちゃんの応急処置を終えたところで、
“ガハハ!”と笑いながら・・
私を突き飛ばしたスーツ軍団が、
福ちゃんを突き飛ばした男の首根っこを捕まえて戻ってきた。
「よぉ~。誰かと思ったら生活安全課の水沢巡査長と福留じゃねぇか。」
「・・・・・・。」
「あ!【刑事課】の皆さんでしたか!
お疲れ様です!」
「福留お手柄だったぞ!お前が足止めしてくれたお陰で追いつけた。」
「と言うと・・俺にぶつかってきたあの男は、何かの事件の被疑者だったんですか?」
「2件の傷害事件を起こして、
ようやく逮捕状が出たからお縄をかけようとしたんだけどな。
ガハハ!水沢巡査長、
急いでたんで悪かったな。」
「・・・相変わらず・・
刑事課の正義のヒーローさん達は、
市民の事なんて何も考えない杜撰な捜査してるんですね。」
「・・・・あ?」
「巻き込まれたのが私と福ちゃんだったから良かったものを・・。
そんな大人数で1人の被疑者を捕まえに行って、逃亡されるなんて。
相変わらず【腰抜けのポンコツ】の集まりでご苦労様です。」
「・・・おい水沢ぁ・・。」
「ちょ!ちょちょ!!
まぁまぁ!犯人も捕まったことだし、
一件落着ということで!
じゃあ関本主任。皆さん。
この後の取り調べもファイトです~!」
私の腕を掴んで、この場を離れようとする福ちゃんに抵抗しながら、
刑事課の男達に最後までガンを飛ばしてやった。