君の腋を舐めたい
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翌日。
朝まで続いた取り調べを終えて、帰宅して仮眠してお昼過ぎに再びやってきたセイズ署。
刑事課の部屋に行こうとしたところで・・
「あ・・・。」
生活安全課から口笛を吹きながら出てきた御仁と目が合った。
「福留さんおはようございます。
今日から復帰なんですか?」
「お!星野君!ご心配お掛けしました。
昨日で久しぶりのバカンスが終わっちまったよぉ(ToT)」
「すみませんなかなかお見舞いにも行けず・・。お帰りなさいませ。」
約1ヶ月前、ストーカー事案の末に命に関わる負傷を負った、
生活安全課の福留さんが元気な笑顔を見せてくれた。
「・・ってあれ?
水沢さんは一緒じゃないんですか?」
「それがさぁ。アサミさん、
俺の復帰初日に無断欠勤だべ?
まったく、復帰最初の仕事が“アサミさんの家まで様子を見に行く”っていうのも、
幸先良いんだか悪いんだか。」
「え・・・寝坊するようなタイプじゃないし珍しいですね。連絡も無しですか?」
「内村課長が何回も電話掛けてるんだけど電源切られてるみたいで。
ちょっと一回家行ってくるわ。」
「今日も暑いのでお気を付けて。」