君の腋を舐めたい


「ちょっと福ちゃん。もう離してよ。」


「あぁ~・・怖かった・・・。」


「何が?別にアイツらなんて怖くもなんとも・・。」


「そうじゃなくて。アサミさんはホント刑事課が絡むと人が変わるんだよなぁ・・。

まぁアサミさんだけじゃなくて他の皆さんもそうだけど・・。」


「先に喧嘩吹っかけてきたのは向こうでしょ?」


「それにしてもホントに喧嘩始めるのは勘弁してくださいよ・・。

ウチの生活安全課と刑事課は、

ずっと昔から続く【犬猿の仲】だってのは重々承知してますけど・・。」




静岡県警セイズ署。

私や福ちゃんが所属する生活安全課ともう一つ・・

街の治安を守る重責を担っているのが、
主に殺人や傷害事案を担当する“刑事課”。


ただ・・福ちゃんの認識にもあるように、

長年の歴史の中、あの連中とウチらは“水と油”・・“不協和音”奏でまくる両者だった。

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