君の腋を舐めたい


―――――― 


豊川さんから貰った経口補水液をがぶ飲みして、その後も手当たり次第聞き込みに走って・・

手掛かりが見つからないまま、
あっという間に夜になってしまう。


焦る気持ちを抑えて豊川さんと刑事課の部屋まで戻ったところで、

関本主任がイヤホンをつけながら僕達を待ってくれていた。


「ホントに大丈夫なのかテツさん?

ただでさえ“水沢が行方不明”って生活安全課の連中が騒いでるのに、

“刑事課は福留を重要参考人と決めつけてる”って知ったら、

内村課長がここに怒鳴り込んでくるぞ?」


「もし怒鳴り込んできたら、
梅田課長になんとかしてもらいます。」


「ガハハ!“私が何とかします”って言わない所がテツさんらしいや。」



「関本主任、それより福留さんの様子は・・!?」


「まぁ焦るな星野。今は帰宅してずっと部屋にいる。・・ただな・・・。」


「・・・・?」


「張り込み班がサーモグラフィー使って外から調べてくれた。

あの部屋の生体反応は一つだけだ。」


「・・・・と言うことは・・・?」


「もし水沢があの部屋にいるんなら、
もう死んでる。」


「!?」

「では、水沢巡査長はあの部屋には【居ない】ということですか?」


心臓が飛び出そうになった僕と違って、
豊川さんは冷静に状況を分析する・・。


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