君の腋を舐めたい


<お~い関本さ~ん!>


「・・・ちょっと待った長野。

今、テツさんと星野も戻ってきたからスピーカーにする。」


「え・・・長くん?」


「刑事課の人間が近づいたら怪しまれるだろ?

長野に缶ビールとスルメ持たせて、福留の部屋に潜入してもらってたところ。」


そうか・・・・さすが関本主任。


常にビートを刻みながらステップを踏む鑑識班の長くん。

あの人畜無害の人柄の子が、まさか既に刑事課と組んでいるとは福留さんも思わない。


<喋っていいっすか?ささやかながらドメくんの快気祝いしてきたっす。>


「長くんどうだった?」


<お、ヨシトくんお疲れ。

スーツケース等、
死体を隠せそうな物は無かったっす!

・・っていうか!

ハラハラ楽しかったけど、オレは鑑識屋で刑事屋じゃないんすよぉ?>


「ごめん・・。今度ラムネ奢るから。」


<それから・・・

テツさんに聞かれる前に答えますけど、キッチン回りや水回りもちゃんと見てきたっす。

バラバラに解体して酸で溶かした形跡も無いっすね。>



スピーカー越しでも分かる“ヒュー!”とアゲアゲな天才鑑識官は、

平気でこういう怖い事を言うから恐ろしい・・。


でもとにかくこれで・・・


「豊川さん。これが・・・?」


「・・・・・・・・・・。」

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