君の腋を舐めたい


―――――― 


煙草を吸うわけじゃないけど、

冷房効いた部屋では頭が冷えないので、
逆に熱帯夜の屋上へと上がってきた。



・・・・水沢さん・・・
どこにいるんですか・・!?



一瞬だけど、
確かに姿を見せた生き霊・・。

一瞬だけど・・確かに水沢さんは僕達に助けを求めていた・・。



「ゴホッゴホッ!
安心して下さい星野君。

私もこう見えてかなり焦っています。」


「だから余計に僕も焦ります。」


「少しおさらいしましょう。
引っ掛かる事が一つあります。」


「もう僕は冷静じゃないので何も引っ掛からないです。

豊川さんのお知恵を何でもください・・。」


「一刻を争う状況ですが、
まだ私達には“絶対的な安心”があります。」


「なんですか・・?」


「【死者】になった水沢巡査長がここに現れないという事です。」


「・・・・・・・・・・・・・。」


「彼女の性格を考えると、もし死んだらその情念は必ずここへ来るはずです。」


「確かに・・。水沢さんなら絶対にタダじゃ死なないはずです。」


「焦りはしますが焦らないで考えましょう。
水沢巡査長は“今はまだ”生きています。」


「はい・・・。」

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