君の腋を舐めたい


「そこで引っ掛かるのが【時間】です。」


「・・・・・?」


「福留君によって、昨日深夜からどこかに監禁されていたとします。

彼の部屋に居ない以上、別のどこかです。」


「はい。」


「となると、既に18~20時間は経っていると考えて良いでしょう。

ここでもう一つ重要になってくるのは、

福留君は今朝から今まで、
彼女の監禁場所に寄る暇が無かった事。」


「お昼以降はずっと僕達や張り込み班が見張ってますからね・・。」


「つまり、水沢巡査長は今も尚、
一人でどこかにいる。

・・・そして今はまだ死んでいない。」



「・・・・・・・!!?」



「ゴホッゴホッ!
冷静になってきましたか?」


「・・・・・水沢さんは・・
どこか【室内】にいる・・・?」


「どんな健康体な人でも、この時期は“熱中症”という脅威と隣り合わせになります。

もし水沢巡査長が屋外や空調設備の無い空間に監禁されていたら、

とっくに熱中症に罹って死んでいます。」


「そっか・・・。

“水沢さんはまだ無事”

という確証から、その状況が推察できるという事ですね・・!?」



「以上です。」


「・・・・はい?」


「さすがに材料が少なすぎます。

ゴホッゴホッ!だから私も、
こう見えて焦ってます。」


「・・・・・・・・ですね・・。」

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